ポートフォリオ理論における加重平均とは、複数の資産を組み合わせたポートフォリオ全体のリターンやリスクを計算する際に、各資産のリターンやリスクにその資産のポートフォリオ内の比率(ウェイト)を掛けて求める方法です。これにより、ポートフォリオ全体の期待リターンやリスクを算出することができます。
1. ポートフォリオの期待リターンの加重平均
ポートフォリオの期待リターンは、各資産の期待リターンにその資産のポートフォリオ内の比率(ウェイト)を掛け合わせたものの合計です。具体的には以下のように計算します。
ポートフォリオの期待リターン=w1r1+w2r2+⋯+wnrn\text{ポートフォリオの期待リターン} = w_1r_1 + w_2r_2 + \cdots + w_nr_nポートフォリオの期待リターン=w1r1+w2r2+⋯+wnrn
ここで、
- wiw_iwi は資産 iii のポートフォリオ内の比率(ウェイト)
- rir_iri は資産 iii の期待リターン
- nnn はポートフォリオ内の資産の数
例
資産A、B、Cがあり、それぞれの期待リターンが5%、8%、12%で、ポートフォリオ内の比率がそれぞれ50%、30%、20%の場合、ポートフォリオの期待リターンは次のようになります。
0.5×5%+0.3×8%+0.2×12%=2.5%+2.4%+2.4%=7.3%0.5 \times 5\% + 0.3 \times 8\% + 0.2 \times 12\% = 2.5\% + 2.4\% + 2.4\% = 7.3\%0.5×5%+0.3×8%+0.2×12%=2.5%+2.4%+2.4%=7.3%
2. ポートフォリオのリスク(標準偏差)の加重平均
ポートフォリオ全体のリスク(標準偏差)は、個々の資産のリスクと、それらの資産間の相関関係を考慮して計算します。単純な加重平均ではなく、資産間の共分散を考慮する必要があります。
ポートフォリオのリスクは以下のように計算されます。
σp=∑i=1n∑j=1nwiwjσiσjρij\sigma_p = \sqrt{\sum_{i=1}^n \sum_{j=1}^n w_i w_j \sigma_i \sigma_j \rho_{ij}}σp=∑i=1n∑j=1nwiwjσiσjρij
ここで、
- σp\sigma_pσp はポートフォリオの標準偏差
- wiw_iwi と wjw_jwj は資産 iii と資産 jjj のポートフォリオ内の比率(ウェイト)
- σi\sigma_iσi と σj\sigma_jσj は資産 iii と資産 jjj の標準偏差(リスク)
- ρij\rho_{ij}ρij は資産 iii と資産 jjj の相関係数
まとめ
ポートフォリオ理論における加重平均は、複数の資産を組み合わせたポートフォリオ全体の期待リターンやリスクを求めるために重要な概念です。期待リターンは各資産のリターンにそのウェイトを掛けたものの合計で計算され、リスクは資産間の相関関係を考慮して計算されます。これにより、投資家は分散効果を利用してリスクを管理し、最適なポートフォリオを構築することができます。
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