在職老齢年金とは、60歳以上の老齢厚生年金受給者が働きながら年金を受け取る場合に、賃金と年金の合計額が一定以上になると、年金の一部または全部が支給停止される制度です。この制度は、働きながら老齢厚生年金を受け取る人を対象としていますが、厚生年金保険に加入していない個人事業主などは対象外です。
仕組みと計算方法
- 対象者: 60歳以上で老齢厚生年金を受け取りながら働いている人。
- 支給停止の基準: 「老齢厚生年金の月額」と「月給・賞与(直近1年間の賞与の1/12)」の合計額が50万円を超えると、年金が減額されます。
- 計算方法: 支給停止額は、以下の計算式で求められます。 =( + −50万円)×12 =( + −50万円)×21例えば、基本月額17万円、総報酬月額相当額36万円の場合、支給停止額は1.5万円となり、受け取れる年金額は15.5万円となります。
特徴
- 老齢基礎年金: 減額の対象外で、全額受け取れます。
- 70歳以上: 厚生年金保険の適用事業所に勤めている場合も支給停止の対象となりますが、保険料の負担はありません。
- 退職時改定: 退職時に年金額が見直され、これまでに支払った保険料を反映した年金を受け取れるようになります。
手続き
在職老齢年金の受給には、年金請求書を年金事務所に提出する必要があります。賃金の変動やボーナスの支給があった場合は、日本年金機構に報告する義務がありますが、通常は会社が手続きを行います。この制度は、1965年の導入以来、数次にわたる改正が行われており、現在の形に至っています。
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