居住用財産の3000万円特別控除と10年超所有軽減税率の特例

居住用財産の3000万円特別控除と10年超所有軽減税率の特例は、自宅売却時に利用できる重要な税制優遇措置です。これらを併用することで、さらに大きな節税効果が得られます。

3000万円特別控除

この特例は、一定の要件を満たす居住用財産を売却した際に、譲渡所得から3000万円を控除できる制度です。主な適用要件は以下の通りです:

• 売却した家に住んでいたこと
• 売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていること
• 売却価格が1億円以下であること

10年超所有軽減税率の特例

この特例は、10年を超えて所有していた居住用財産を売却した場合に適用される税率を軽減する制度です。具体的には:

• 譲渡所得6000万円以下の部分：14.21%（通常20.315%）
• 譲渡所得6000万円超の部分：20.315%（変更なし）

併用のメリット

これら2つの特例を併用することで、大幅な税負担軽減が可能になります。例えば:

1. まず3000万円特別控除を適用して譲渡所得を減額
2. 残りの譲渡所得に対して軽減税率を適用

計算例

売却額1億3000万円、取得費8000万円、譲渡費用600万円の場合:

1. 譲渡所得：4400万円（1億3000万円 – 8000万円 – 600万円）
2. 3000万円控除適用後：1400万円（4400万円 – 3000万円）
3. 軽減税率適用：1400万円 × 14.21% = 198万9400円

この場合、特例を利用しなければ約894万円の税金がかかるところ、695万円以上の節税効果があります。

注意点

• 確定申告が必要です
• 住宅ローン控除との併用はできません
• 所有期間のカウント方法に注意が必要です

これらの特例を活用することで、自宅売却時の税負担を大幅に軽減できます。ただし、適用条件や必要書類などが複雑なため、税理士やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。