相続時精算課税制度は、いくつかの制度や特例と併用することができます。以下に主な併用可能なものを説明します。
贈与者が異なる場合の暦年課税
相続時精算課税制度を選択した贈与者からの贈与に対しては暦年課税を適用できませんが、贈与者が異なる場合は暦年課税と相続時精算課税制度を併用することができます。例えば、父親からの贈与に相続時精算課税制度を適用し、母親からの贈与に暦年課税を適用するといった使い方が可能です。
非課税贈与制度
相続時精算課税制度は、以下のような非課税贈与制度と併用することができます:
- 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度
- 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度
- 住宅取得等資金の贈与税の非課税制度
これらの非課税制度を活用することで、相続時精算課税制度の特別控除額2,500万円とは別に、さらなる節税効果を得ることができます。
複数の特定贈与者からの贈与
相続時精算課税制度は、複数の特定贈与者(60歳以上の父母または祖父母)からの贈与に対して適用することができます。各贈与者について2,500万円の特別控除を適用できるため、例えば父親と母親の両方から贈与を受ける場合、合計5,000万円まで贈与税の課税対象から控除できます。
令和6年1月1日以降の基礎控除
令和6年1月1日以降の贈与では、相続時精算課税制度に年間110万円の基礎控除が創設され、特別控除と併用できるようになります。これにより、毎年110万円までの贈与については贈与税がかからず、さらに2,500万円の特別控除も利用できるため、より柔軟な贈与計画が立てられるようになります。相続時精算課税制度を活用する際は、これらの併用可能な制度や特例を適切に組み合わせることで、より効果的な節税対策を行うことができます。ただし、個々の状況によって最適な選択は異なるため、専門家に相談することをおすすめします。
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