相続税における取引相場のない株式の評価は、主に以下の方法で行われます。
評価方式
取引相場のない株式の評価には、原則的評価方式と配当還元方式の2つの方式があります。
原則的評価方式
原則的評価方式は、会社の規模によって異なる評価方法を適用します。
- 大会社: 類似業種比準方式を使用
- 小会社: 純資産価額方式を使用
- 中会社: 大会社と小会社の評価方法を併用
配当還元方式
同族株主以外の株主が取得した株式については、会社の規模に関わらず配当還元方式で評価します。
会社規模の判定
- 従業員数(役員を除く継続勤務従業員数)
- 直前期末以前1年間における取引金額
- 直前期末時点の帳簿価額ベースの総資産価額(一定の調整後)
評価方法の詳細
類似業種比準方式
類似業種の平均株価に基づき、評価対象会社の以下の要素を比較して計算します:
- 1株当たりの配当金額
- 1株当たりの利益金額
- 1株当たりの純資産価額(簿価)
純資産価額方式
会社の総資産から負債を差し引いた純資産を基に評価します。計算式は以下の通りです:純資産価額=(資産の相続税評価額−負債の金額)×(1−評価差額に対する法人税額等相当額の割合)純資産価額=(資産の相続税評価額−負債の金額)×(1−評価差額に対する法人税額等相当額の割合)
配当還元方式
1年間の配当金額を一定の利率(10%)で還元して株式価額を評価します。
特記事項
- 同族株主以外の株主が取得した株式は、原則として配当還元方式で評価されます。
- 特定の評価会社(例:配当金額、利益金額、純資産価額のうち2つ以上がゼロの会社)の株式は、純資産価額方式または清算分配見込額で評価されます。
相続税における取引相場のない株式の評価は複雑であり、会社の状況や株主の立場によって適用される方法が異なるため、専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。
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