造作買取請求権の定義
造作買取請求権とは、借家契約が終了する際に、借家人が建物に付加した造作を家主に時価で買い取らせることができる権利のことです。
主な特徴
- 対象となる造作
造作とは、畳、建具、電気・水道施設などを指します。 - 家主の同意
造作の付加については、事前に家主の同意を得ていることが必要条件となります。 - 例外規定
民法の原則では、賃貸借契約終了時に賃借人が付加した造作を収去しなければなりませんが、造作買取請求権はこの例外規定となっています。 - 任意規定
契約上で特約を設けることで、造作の買取り義務を負わないようにすることができます。
行使できないケース
- 建物から造作を取り外しても価値が減少しない場合
- 借主が所有していない造作の場合
- 貸主の同意を得ずに造作を行った場合
特約について
現行の借地借家法では、「借家人は造作買取請求権を放棄する」という特約が一般的で、有効とされています。平成4年8月1日以降の借地借家法改正により、このような特約も任意となり、法定要件と異なる特約も有効となりました。造作買取請求権は借家人の権利を保護する一方で、貸主にとっては負担となる可能性があるため、契約時に十分な確認と協議が必要です。
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