ラーニングピラミッド(Learning Pyramid)は、アメリカ国立訓練研究所(NTL Institute)が発表した学習方法の効果を示すモデルです。このピラミッドは、学習方法ごとの平均学習定着率を視覚的に示しており、効率的な学習方法を理解するための指標として利用されています。
ラーニングピラミッドの概要
ラーニングピラミッドは、学習方法を以下の7つに分類し、それぞれの学習定着率を示しています:
- 講義を受ける(5%): 受動的な学習方法で、最も定着率が低い。
- 読書する(10%): 自分で本を読むこと。
- 視聴覚資料を使う(20%): 映像や音声を使った学習。
- デモンストレーションを見る(30%): 実演を見て学ぶこと。
- グループ討論をする(50%): 他者と議論すること。
- 実際に体験する(75%): 実践を通じて学ぶこと。
- 他の人に教える(90%): 他者に教えることで最も高い定着率を得る。
能動的学習の重要性
ラーニングピラミッドの下部に位置する「グループ討論」、「実際に体験する」、「他の人に教える」といった能動的な学習方法は、学習定着率が高いことが示されています。これらの方法は、アクティブラーニングの一環として注目されています。アクティブラーニングとは、学生が主体的に学習に参加し、ディスカッションやフィールドスタディなどを通じて学ぶ教育手法です。
ラーニングピラミッドの批判と誤謬
一方で、ラーニングピラミッドには批判もあります。特に、学習定着率の数値が実証的なデータに基づいていないという指摘があります。このモデルの出自や変遷を調査した結果、ピラミッドの数値は経験的なものであり、科学的な裏付けが不十分であるとされています。また、このモデルを過度に信頼することによる教育現場への悪影響も懸念されています。
まとめ
ラーミングピラミッドは、学習方法の効果を視覚的に示す有用なツールであり、特に能動的な学習方法の重要性を強調しています。しかし、その数値の信頼性には疑問があり、教育現場での利用には慎重な検討が必要です。
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