敷地利用権と専有部分

敷地利用権と専有部分は、分譲マンションなどの区分所有建物に関連する重要な概念です。

敷地利用権とは

敷地利用権は、マンションのような区分所有建物において、区分所有者が持つ土地に関する権利を指します。具体的には、建物の敷地となっている土地を占有する権利であり、区分所有者全員で共有する「土地の共有持分」として扱われます .

専有部分は、マンションや建物を購入した際に所有する個々の住居や店舗などの部分を指します。これは建物の内部で個別に所有される部分であり、区分所有権として知られています .

敷地利用権と専有部分の所有権は、原則として分離して処分することができません。これは、専有部分を利用するためには、その基盤となる土地が必要であるためです。このような一体化は、1983年の区分所有法の改正により導入され、登記事務の簡略化を図るために、土地登記簿への記載を省略する制度が整備されました .

ただし、管理規約で別段の定めがある場合には、敷地利用権と専有部分を分離して処分することが可能です .このように、敷地利用権と専有部分の一体化は、マンションなどの区分所有建物における権利関係を整理し、管理を容易にするための制度です。