マッチング拠出は、企業型確定拠出年金(DC)において、従業員が自身の掛金を上乗せできる仕組みです。2012年1月の法改正により導入され、退職後の資産形成を支援する重要な制度となっています。
マッチング拠出の特徴
仕組み
- 企業が拠出する掛金に加えて、従業員が任意で掛金を上乗せできます。
- 従業員の掛金額には上限があり、会社掛金と同額まで、かつ合算で拠出限度額までとなります。
税制優遇
マッチング拠出の最大のメリットは税制優遇です
- 従業員の掛金は全額が所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。
- 運用益は非課税となるため、効率的な資産形成が可能です。
制度の特徴
- 利用は任意であり、従業員が強制されることはありません。
- 2022年10月の制度改正により、マッチング拠出かiDeCoかを選択できるようになりました。
メリットと注意点
メリット
- 税制優遇により効率的な資産形成が可能。
- 企業にとっては低コストで福利厚生の拡充が図れます。
注意点
- 原則60歳まで受け取りができないため、当面の支出に必要な資金は別途確保する必要があります。
- マッチング拠出では、給与財源DCと異なり社会保険料の軽減効果はありません。
マッチング拠出は、従業員の退職後の資産形成を支援する有効な手段であり、労使双方にメリットのある制度です。導入にあたっては、従業員への投資教育の拡充や、制度の運営状況の定期的な検証が重要となります。
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